春色のletter

「ねえ、よりこねえちゃん」


「ん、なに?」


「ちゃんとうんどうしてよくなったら、すきっぷおしえてね」


「スキップ?」


「うん」


「そっか、スキップかぁ。いいよ♪」


「ありがとう!」


そんな私たちのやり取りを助手席の佐伯さんと、美沙ちゃんの向こうに座る沙也さんが、本当にうれしそうに見ていた。


ただ…


(できるのか私?)


その後はずっと、お澄まし顔で固まっていた私だった。
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