春色のletter
郵便受けを覗くと、春色の手紙が入っていた。


「わお♪」


私はそれを手に、覚え立てのスキップらしき感じで階段を上ったけど、サロンにかおりさんがいたので、慌ててお澄まし顔で歩いた。


「お帰り」


彼女は雑誌に視線を落としたまま言った。


「ただいま」


私もさりげなくそう答えて、かおりさんの横を通り過ぎた時、


「ぷっ♪」


かおりさんが軽く吹き出すのが聞こえた。
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