春色のletter
中の手紙を見て、ホッとした。


入っていたのは春色の手紙だった。


宛名の字も、ハルの字だった。


思わず、その手紙を胸に当てた。


ふと、砂羽さんの視線に気が付いて、また慌てて2階へ上がった。


階段の踊り場で振り返ると、砂羽さんが首をかしげながら戸を閉めるのが見えた。


私は、ぺろっと舌を出すと、そこからは手紙を見ながら、ゆっくり部屋へ向かった。


いつもの場所にバッグを置くと、ゆっくりとソファに座った。


それでも、お風呂に入って落ち着いてから……とはいかなかった。


レターオープナーで丁寧に開けると、2枚の便せんを取り出した。


(こんなに時間があいたのに、少ないな…)


あの時の手紙を思い出して、少し不安になった。
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