春色のletter
「まあ、どうぞ頭を上げて。さあ、お座りなさい」


「はい」


私はもう一度頭を下げると、ソファに腰掛けた。


「失礼します」


その時、秘書室長がお茶を持って入って来た。


私と社長の前にお茶を置くと、そのまま出て行こうとした。


「実緒、すまないが、机の上の資料を取ってくれるか」


「はい」


彼女はすぐにそれを取りに行くと社長に渡した。


そして、また出て行こうとしたが、「おまえも座りなさい」と、社長が言った。


「…はい」


ちょっと間があったが、彼女は笑顔で社長の横に座った。
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