春色のletter

数日後。


「夜梨子さ~ん、外線です!1番」


「はあい」


目の前の受話器を取ると、1番を押した。


「はい、竹村です」


『お久しぶりです。諏訪山ワインの本田です』


「え?…本田さん!?」


突然の電話に驚いたが、うれしかった。


「あの時は大変お世話になりました」


『いえ、こちらこそ、今度のことではお世話になりました』


「いえ、そんな…ところで、今日はどうされたんですか?」


『ええ、あなたに一言お礼をと思いまして』


「お礼?ロゴのですか?」


『いえ、別件です』


「え?」


そこで彼が語ったことは、こういう事だった。
< 450 / 487 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop