春色のletter
「どうしたの?突然。びっくりしたわ」
「すみません。ほんと、お久しぶりで」
居間に通された私は、お茶を受け取りながら、代わりにお土産を差し出した。
「ううん、いいんだけど。ありがと」
さつきさんは無意識な感じでお土産を受け取ると頭を下げた。
「で、お盆休み?実家に帰ってきたの?」
「あ…いえ」
私はちょっと言葉を濁した。
「え?」
「今日は別の用事で帰ってきたので」
「そ、そうなんだ…」
ちょっと理解できないようで、さつきさんが不思議な表情をした。
「で、どうしてうちに?」
なんとか笑顔を作りながら、彼女は座り直した。