春色のletter
「あの、ハルの居場所を知らないかと思って」
思い切って聞いた。
「ハルの…居場所?」
「はい」
「今、東京の下北沢のはずだけど…」
(やっぱり、ここじゃないのか…)
「そこは知ってます。彼はもうそこにはいません」
「え?そうなの?」
「はい」
「ご、ごめん。私もあんまり連絡取ってなかったから、知らなかったわ」
さつきさんは申し訳なさそうに言った。
「そうですか…」
まあ、そうだろうなとも思って来たから、言うほどショックじゃなかった。