春色のletter
私は、他に音がないことを確認して、個室を出た。


「なんでだろう?って、私が聞きたいよ…」


私は鏡の中の自分を見つめながらつぶやいた。




さっきの同僚の話のとおり、佐伯さんはバカが付くくらいの愛妻家で有名だ。


それに娘に関しても親ばかぶりを発揮する。


私もそれによく付き合わされているからわかっている。


あれだけ優しい佐伯さんが、そんな目で私を見ることはないと断言できる。


(ただの後輩というだけなのに…)
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