春色のletter
ガチャ。


目の前の2号室のドアが開いて、砂羽さんが出てきた。


「お帰り」


「ただいま」


「おや?」


「なに?」


「手紙が来てたみたいだよ?」


私が手にそれを持ってなかったからだと思う。


「あ、…そう?」


私はあきらめて、脱ぎかけた靴をつっかけて戻ると、郵便箱の鍵を開けた。


「あ…」

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