春色のletter
夜宮高校は北九州ではそれなりにレベルが高い高校だけど、兄が行った小倉高校には及ばない。
本当は、そこにも行けたはずの学力だった。
そのせいで、志望を決めた頃から、母がずっと不機嫌気味だった。
でも、兄みたいに勉強ばかりする気もなかったし、絵里には夜宮でも少しレベルの高い高校だったのだ。
志望を絵里に合わせたなんて母が知ったら、どうなることやら。
年取って、茶飲み話ができるようになった頃に告白しようと思っている。
それに、私は高校ではやりたいことがあった。