春色のletter
「え?夜梨、今のイラスト同好会に入るの?」


「わかんないけど、まあ、ちょっと考えてみる」


「ええ~、私と一緒にブラバンに入ろうよぉ」


絵里はそう言いながら、私の腕を掴むと揺れた。


「なんだ、絵里はブラバンなの?」


「うん、今度は部活を始めてみようかと」


中学時代、私と絵里は帰宅部だった。


もともと美術部に入りたかったけど、私の中学にはそれはなかった。


何かをやってみたいというのは、絵里も同じみたいだった。


「ごめん…私、絵が描きたいんだ」


「ええ~?、ええ~?」


絵里はそう言いながらも、きっとわかってくれると思う。


どっちにしても、部活をするんだから、同じ時間くらいには帰ることができるだろう。
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