哀果て
1つ上の、先輩。
誰もが憧れる人で、例にも漏れず私も憧れた。
本当にかっこいいと思ったし、素敵だと思った。
最初は、それだけだった。
キャーキャー言うのが、楽しくて、それだけで満足だった。
だけど、忘れもしない1年の6月のあの日、たまたま教室に忘れ物を取りに帰って、誰も居ない校舎を急いでいた私に、先輩は笑った。
誰にも笑わないと、言われてたあの先輩が、私に何故か笑いかけた。
その瞬間から、私は完璧にハマった。
底なし沼、そんな感じ。
ハマったら、もう抜けられなかった。
私が先輩と関わったのはそれだけ。
だけど、その事が私の全てだった。
また笑顔が見たくて、私に振り向いて欲しくて、私は思い続ける。