HARUKA~恋~
案の定、あの最終問題を答えられたのは、全クラス合計48班の内たった3班だけだった。

私たちの班は見事に1位でゴールし、商品を貰った。


「わあ!花火じゃん!!しかもこんなに入ってるし」

「打ち上げ花火もあるよ」

「先生、これ浜辺でやっても良いっすか?」


聞く相手間違ってる…

そう思ったが、手遅れだった。


「ふざけるな!!これは授業の一貫としてやったんだ!遊びじゃない!それも分からないなら没収するぞ!」


宙太くんが必死に謝って、花火の没収はひとまず回避できた。

しかし、この男は人の見極めが下手すぎる。

学校1恐ろしいと評判の塚本先生にわざわざ聞くとは…

恐るべし度胸。

というより、恐るべしバカ。


私の視線が注がれているのに気づいたのか、私をキリッと睨んでくる。

彼とは以心伝心出来てしまっているようだ。




結局その花火は夏休みに皆でやろうと約束し、班長の宙太くんが持って帰ることになった。
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