HARUKA~恋~
山の中に居るからだろうか。
夏特有の蒸し暑さや肌のベタベタ感がまるで感じられない。
月は一段とはっきり、美しく見える。
星の数もいつもより多く感じる。
そしてそのどれもが輪郭が鮮明でピカピカと一生懸命に輝きを放っていた。
夜空の美しさに目を奪われていると、肩をポンと叩かれた。
「次、晴香ちゃんの番だよ~」
目の前にくりくりお目めの彼女が出現し、なにやらニヤニヤしている。
「遥奏くんと回れるといいね」
耳元でそう呟かれて、一気に耳がかぁ~っと熱くなり、顔から火が出そうなくらいの高熱を帯びた。
そんな私を見てさらにニヤニヤが増す彼女。
私は顔をパンパンと2度叩いてくじ引きに向かった。
私ってば、嘘つきだ。
席替えで一喜一憂する人の気が知れないとか言い張っていたが、自分だってその1人じゃないか。
ーーというより…
変わった、のか。
あの頃の自分じゃないんだ。
心に厚く厚く張っていた氷は、彼らと出会ったことで徐々に着実に溶けて来ている。
だから私は人間らしさを取り戻し、理性じゃなくて感性で動けるようになってきたんだ。
「蒼井さん、どうぞ」
学級委員に促され、箱に手を入れる。
数回、残った紙をかき回し、そこから運命の1枚を引く。
「はい」
「じゃあ、それ後で使うから誰にも見せないで持ってて」
私は自分の手のひらの中の小さな運命の紙切れに祈りを捧げた。
どうか、遥奏くんとペアになれますように…
夏特有の蒸し暑さや肌のベタベタ感がまるで感じられない。
月は一段とはっきり、美しく見える。
星の数もいつもより多く感じる。
そしてそのどれもが輪郭が鮮明でピカピカと一生懸命に輝きを放っていた。
夜空の美しさに目を奪われていると、肩をポンと叩かれた。
「次、晴香ちゃんの番だよ~」
目の前にくりくりお目めの彼女が出現し、なにやらニヤニヤしている。
「遥奏くんと回れるといいね」
耳元でそう呟かれて、一気に耳がかぁ~っと熱くなり、顔から火が出そうなくらいの高熱を帯びた。
そんな私を見てさらにニヤニヤが増す彼女。
私は顔をパンパンと2度叩いてくじ引きに向かった。
私ってば、嘘つきだ。
席替えで一喜一憂する人の気が知れないとか言い張っていたが、自分だってその1人じゃないか。
ーーというより…
変わった、のか。
あの頃の自分じゃないんだ。
心に厚く厚く張っていた氷は、彼らと出会ったことで徐々に着実に溶けて来ている。
だから私は人間らしさを取り戻し、理性じゃなくて感性で動けるようになってきたんだ。
「蒼井さん、どうぞ」
学級委員に促され、箱に手を入れる。
数回、残った紙をかき回し、そこから運命の1枚を引く。
「はい」
「じゃあ、それ後で使うから誰にも見せないで持ってて」
私は自分の手のひらの中の小さな運命の紙切れに祈りを捧げた。
どうか、遥奏くんとペアになれますように…