HARUKA~恋~
「ついに俺たちの時代がやって来たぜ!今週末の大会、ぜってー優勝してやる!!」
宙太くんはやる気にみなぎりまくっていた。
全身からエネルギーが放出されていて、新エネルギーとして宙太発電なんてのが発明されたら、きっと日本の電力を支えられると思った。
とは言っても、彼は総エネルギーの何万分の1、何億分の1しか生み出せないだろうけど。
しかも彼の全身にエネルギー吸収装置が装着されたら、逆に疲れてエネルギーがなくなってしまうだろう。
変なことを考えていたら、笑えて来た。
「何だよアオハル、俺のこと馬鹿にしてんのか!?」
「ハルの笑いのツボって宙太だよな。なんか、腹立つわ~」
「今度は遥奏に嫉妬された!つうか、お前ら、ホント、俺のこと大好きなのな」
そんなことを言いながら、最近は3人で帰っている。
寂しがり屋の宙太くんは、夏が過ぎ、秋になってもフリーで、私達と一緒に行動していた。
「しっかし、遥奏が戻って来てくれて本当に助かった。俺、遥奏がいねえとマジで調子上がんねえんだよ。参った参った!」
熱いラブコールに、遥奏は呆れ顔。
でも内心は嬉しがっている。
少し口角が上がるから分かるんだ。
彼はクールだから感情を率直に表すのが苦手。
だから唐突に話したり、ちょっとぶっきらぼうだったりする。
でも優しいから、私のことを気遣ってくれたり、退屈させないようにしてくれたりする。
一緒に過ごして来て、段々阿部遥奏が分かってきた。
「ハル、今週末応援来てくれる?」
「もちろん行くよ!」
「じゃあ、アオハル、焼き肉弁当作って来て!俺、焼き肉食ったら、絶対勝てる!」
「はあ?お前、焼き肉弁当って、何人分作らせる気だよ。ハルが大変じゃん」
「っせえなあ!!俺はただ食べたいもん言っただけじゃん。ジョーダンだよ、ジョーダン」
宙太くんのジョーダンはジョーダンじゃない。大抵本気だ。
私はそれが分かっているから、こういう時の突破口を心得ていた。
「私、焼き肉弁当は流石に無理だけど、おにぎりとか、ちょっとしたおかずなんかは作れるから、それ持って来るね」
「よっしゃ!よろしくな、アオハル」
「ごめん。大変だったら作んなくて良いから。
…じゃあ、よろしく」
「いやあ、ホント、ありがとな。アオハルをマネージャーとして招きたいわ。
…―――――マネージャー!!それだ!!」
急に宙太くんは大声を上げたかと思うと、地面に膝と顔をつけ、土下座した。
私は何事かと唖然としているしかなかった。
「アオハル、頼む!マネージャーになってくれ!!」
「それ、キャプテンのオレが言おうとした言葉。勝手に取るなよ」
「いっつも、遥奏に先越されてるからな。たまには良いだろ?」
「まあいいや。じゃあ、そういうことなんで、オレからもよろしくお願いします」
全く、2人共突然が好きだね~。
これって、もしかして…サプライズってやつ?
呆れたけど、まんざらでも無い。
今まで部活をやったこと無いし、バイトも大分慣れてきたからそろそろ新しいことに挑戦するのもアリかと思った。
そこで私はある提案をした。
「次の大会で優勝したらね。もし優勝出来なかったらこの件は白紙撤回ってことで」
「わかった。頑張る!」
「アオハル、意地悪すぎ」
太陽が西の空に沈み始めて空が色付いて来た。
私の真上の空は橙色で、太陽の近くの空は真っ赤に燃えていた。
街路樹の隙間から顔を出す、すすきが穏やかな秋の風に体を揺らす。
笑い声はどこまでもどこまでも響いていた。
宙太くんはやる気にみなぎりまくっていた。
全身からエネルギーが放出されていて、新エネルギーとして宙太発電なんてのが発明されたら、きっと日本の電力を支えられると思った。
とは言っても、彼は総エネルギーの何万分の1、何億分の1しか生み出せないだろうけど。
しかも彼の全身にエネルギー吸収装置が装着されたら、逆に疲れてエネルギーがなくなってしまうだろう。
変なことを考えていたら、笑えて来た。
「何だよアオハル、俺のこと馬鹿にしてんのか!?」
「ハルの笑いのツボって宙太だよな。なんか、腹立つわ~」
「今度は遥奏に嫉妬された!つうか、お前ら、ホント、俺のこと大好きなのな」
そんなことを言いながら、最近は3人で帰っている。
寂しがり屋の宙太くんは、夏が過ぎ、秋になってもフリーで、私達と一緒に行動していた。
「しっかし、遥奏が戻って来てくれて本当に助かった。俺、遥奏がいねえとマジで調子上がんねえんだよ。参った参った!」
熱いラブコールに、遥奏は呆れ顔。
でも内心は嬉しがっている。
少し口角が上がるから分かるんだ。
彼はクールだから感情を率直に表すのが苦手。
だから唐突に話したり、ちょっとぶっきらぼうだったりする。
でも優しいから、私のことを気遣ってくれたり、退屈させないようにしてくれたりする。
一緒に過ごして来て、段々阿部遥奏が分かってきた。
「ハル、今週末応援来てくれる?」
「もちろん行くよ!」
「じゃあ、アオハル、焼き肉弁当作って来て!俺、焼き肉食ったら、絶対勝てる!」
「はあ?お前、焼き肉弁当って、何人分作らせる気だよ。ハルが大変じゃん」
「っせえなあ!!俺はただ食べたいもん言っただけじゃん。ジョーダンだよ、ジョーダン」
宙太くんのジョーダンはジョーダンじゃない。大抵本気だ。
私はそれが分かっているから、こういう時の突破口を心得ていた。
「私、焼き肉弁当は流石に無理だけど、おにぎりとか、ちょっとしたおかずなんかは作れるから、それ持って来るね」
「よっしゃ!よろしくな、アオハル」
「ごめん。大変だったら作んなくて良いから。
…じゃあ、よろしく」
「いやあ、ホント、ありがとな。アオハルをマネージャーとして招きたいわ。
…―――――マネージャー!!それだ!!」
急に宙太くんは大声を上げたかと思うと、地面に膝と顔をつけ、土下座した。
私は何事かと唖然としているしかなかった。
「アオハル、頼む!マネージャーになってくれ!!」
「それ、キャプテンのオレが言おうとした言葉。勝手に取るなよ」
「いっつも、遥奏に先越されてるからな。たまには良いだろ?」
「まあいいや。じゃあ、そういうことなんで、オレからもよろしくお願いします」
全く、2人共突然が好きだね~。
これって、もしかして…サプライズってやつ?
呆れたけど、まんざらでも無い。
今まで部活をやったこと無いし、バイトも大分慣れてきたからそろそろ新しいことに挑戦するのもアリかと思った。
そこで私はある提案をした。
「次の大会で優勝したらね。もし優勝出来なかったらこの件は白紙撤回ってことで」
「わかった。頑張る!」
「アオハル、意地悪すぎ」
太陽が西の空に沈み始めて空が色付いて来た。
私の真上の空は橙色で、太陽の近くの空は真っ赤に燃えていた。
街路樹の隙間から顔を出す、すすきが穏やかな秋の風に体を揺らす。
笑い声はどこまでもどこまでも響いていた。