二人だけの約束
ー翌朝ー

「………な………ろ」

「……ん……」

誰かがなにか言ってる

「ゆ……な、お……ろ」

「何?」

「雪菜!起きろ!遅刻するぞ‼」

勢いよく起きると翔くんが私を見下ろしながら呆れた顔をしていた

「翔くん!?なんで…」

「なんでじゃねーよ!もう7時だぞ!さっさと着替えて下に来いよ!」

そう言うと翔くんは下に行ってしまった

はあービックリした朝から刺激が強いよ

ってそんなこと言ってる場合じゃない‼早く着替えなきゃ!

私は早く着替えて下に降りた。

「あ、雪菜おはよう。翔くんは玄関で待ってるわよ」

キッチンにいたお母さんが笑顔で
言った

「うん!分かった‼いってきまーす」

私は家を出た

「翔くん‼待たせてごめんね」

「おせーよ‼いったいお前は着替えるのに何分かかってんだよ!昔からそうだよな。朝は起きるのおせーし、着替えるのもおせーし、雪菜はいつになったら成長するの?」

翔くんはあきれたようにため息をついた

ほんとに幼馴染みなんだ。私が朝弱いこととか着替えるのが遅いのも当たってる

「…なに?俺の顔になにかついてる?」

「…あ、ううん。私の事よく知ってるなって思って」

「何言ってんの?知ってて当然だろ?ガキの頃一緒だったんだから」

ほんとに俺様だな。昔からなのかな?

声は聞いたことないこともないけど

そんなこと思いながら学校に向かっていた

学校が近づくと生徒も増えてきて私たちをチラチラ見ている人もいる

うわぁ…視線が痛い

確かに翔くん顔はイケメンだから見ちゃうよね

視線に耐えながら門の前まで来たら

「じゃ、俺職員室行くから。また教室でな」

そう言うと翔くんが先に入っていった

自分勝手だ。私翔くん苦手かも

心の中でそう言いながら私は教室へ向かった
< 10 / 130 >

この作品をシェア

pagetop