二人だけの約束
【雪菜said】

……ん?

ここはどこ?

気がつくと私はベッドに寝かされていた

でも、自分の部屋ではない

回りを見渡してみると

「…翔くん?」

翔くんが近くで寝ていた

もしかして、ずっと見てくれてたのかな?

そう思いながら翔くんの寝顔を見ていた

この寝顔前にも似たようなの見た気がする

そう思いながら翔くんの髪を触っていたら

パチッ

翔くんがいきなり目を覚ました

「あ、雪菜起きたんだ」

大きなあくびしながら翔くんは身体をおこした

「う、うん。えっと…心配掛けてごめんね?」

髪触ってたのバレてないかな?

ちょっと不安になりながらも答えると

「まったくだ。昨日に引き続き今日も気を失うとか、ほんと勘弁してくれよ。てか、勝手に人の髪をいじるなよ」

翔くんはため息混じりに言った

まぁ、そうだよね。昨日だけでも心配掛けまくったのに今日も心配かけられたら流石に迷惑だよね。しかも髪触ってたのバレてるし…

「でも、目覚めてよかった」

翔くんがそう言ったことを私は知らなかった

「あ、そうだ。お前に聞きたいことがあるんだけど?」

「ん?なに?」

私がそう聞くと

「お前があの時、頭を抱えたのって事故の時の事思い出したからか?」

事故の時?

「えっと…事故の時か分からないけど」

私は翔くんに夢の事と頭痛の時に見えた光景を話した

「…そうか」

でも、なんでそんなこと聞いたんだろう?

不思議に思ったけどそれを聞くことは出来なかった

「あ!今何時?」

私はあることを思い出して時間を聞いた

「は?今は5時だけど」

嘘!もうそんな時間?

「翔くん、私着替えるから部屋から出てもらえない?」

「あ、ああ。わかった。じゃあ俺下にいるから」

そう言うと翔くんは部屋を出ていった

よし!着替えなきゃ

私がクローゼットから出したのは

浴衣

白色に雪の結晶の模様が入ったものでお母さんと買い物したときに

「この、浴衣雪菜にぴったりじゃない‼」

と言って買ったものらしい

確かに、名前からしたらピッタリだけど…

その浴衣を着て私は一階に行った
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