二人だけの約束
教室に入ると、

「如月さんかわいい!」

「本当‼メイドにして正解だったね‼」

みんな私を囲みそう言った

そうだった…この服クラスの子が作ったんだった

みんなの言葉に私は混乱していた

「それに市原さんも素敵‼」

「私も思った‼本物のナースみたい」

梨華ちゃんも女子達に囲まれてた

ガラガラー

すると翔と優斗くんが教室に戻ってきた

「あ、翔、優斗くんおかえ…」

途中で言葉を失った

だってそこには

「おい!なんで俺が執事の服なんだよ!」

「執事の方がまだマシだよ。俺なんてホストなんだぞ」

執事の衣装をした翔とホストの衣装をした優斗くんがいた

翔…執事の衣装か、かっこいい‼キラキラしてる‼

優斗くんも似合ってる!

私が二人に見惚れていると

「ゆ、雪菜!?お前その格好…」

翔が私の格好を見て驚いていた

「やっぱり似合ってないよね?」

私がそう言うと

「いや、似合ってる…と思う」

翔が少し照れたように言った

う…嘘!翔に“似合ってる”って言われた‼

初めてかも‼嬉しい

嬉しさ浸ってると

「それより、なんで俺が執事になんなきゃいけねーんだよ。絶対似合わねーのに…」

翔はちょっと嫌だったみたい

ううん。翔。似合ってるよ!

でも、そう言うと不機嫌になりそうだから心の中に留めておこう

そう思っていたら

「なんか、桐ヶ谷くんと如月さんが並んでると破壊力ヤバイね‼」

「うん!二人とも似合ってるし。あ、そうだ。当日さ、二人で一緒に接客してくれない?そしたらきっとお客さんいっぱい来ると思うから」

え?翔と二人で?

なんか緊張するけど、嬉しい

と思ったのも束の間

「それから如月さんは『おかえりなさいませ!ご主人様!』って言ってね」

え!無理無理‼そんな恥ずかしいこと言えないよ‼

「そ、それはさすがにちょっと…」

「雪菜ちゃん。諦めた方がいいよ。あの子達、聞いてないから」

梨華ちゃんがため息混じりに言った

えー‼本当に言わなきゃいけないの?

最悪ー…

「あ、あと桐ヶ谷くんも『おかえりなさいませ。お嬢様』って言ってね」

翔も私と似たようなことを言われていた

「は?なんで…」

「執事だからだろ?」

横から優斗くんが顔を出して言った

「…マジかよ」

翔も嫌だよね。

私と翔はもう気分ががた落ちした
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