二人だけの約束
やっぱり翔はモテるよね

仕方ないけどちょっとイヤだな

少しモヤモヤしていると

「如月さん」

「は、はい」

いきなり呼ばれてつい敬語になっちゃった

「3番テーブルのお客さんの注文とってきて」

そう言われて見てみるといかにもチャラそうな男二人が座っていた

ちょっと抵抗があるけどお客さんだしやるしかないか

「お待たせしました。ご注文お願いします」

私がそう言うと

「お、かわいいメイドさんじゃん!」

「ねーねー。きみ、このあと俺らと回らない?」

二人の男は身を乗り出しながら言った

「あの、すいません。仕事中なので…」

断ろうとすると

「いいじゃん!接客の人たくさんいるし、一人減ったって大丈夫だよ」

一人の男がそう言って私の腕を掴んだ

「は、離してください‼」

抵抗しても男の力に敵うはずもなく引っ張られてしまう

怖い‼…助けて‼

そう思っていたら

パシッ!

いきなり腕から手が離れたので目を開けると

「しょ…う?」

目の前に翔が立っていた

「申し訳ありません。彼女はこれからも仕事がありますし、僕の大切な人なのでどうかお引き取りください」

執事口調で言った

「チッ!彼氏持ちかよ」

「行こうぜ…」

男二人は去っていった

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