二人だけの約束
「小春【こはる】だよー!」

え?誰の声?

答えたのは蓮くんではなく

蓮くんの後ろにいた女の子

「お、お前…」

翔はすごく驚いていた

「はじめまして。あ、翔くんは久しぶりだね。今日転校してきた桐ヶ谷 小春です。皆さん、これからよろしくね!」

小春ちゃんは笑顔で言った

みんなはいきなりのことで頭が着いていかない様子

「……えーと、よろしくね。私は如月 雪菜です」

私はとりあえず、自己紹介した

「よろしくね!私は入谷 凛だよ」

「よろしく。私は市原 梨華」

「一条 優斗だ。よろしくな」

「片桐 蓮。よろしく」

「……桐ヶ谷 翔。久しぶり小春」

私に続いてみんな自己紹介した

あ、小春ちゃんのこと呼び捨てなんだ

「如月さん、入谷さん、市原さん、一条くん、片桐くんですね。分かりました」

小春ちゃんは一人ひとりの顔を見て言った

凄い‼一回で覚えられちゃうんだ

「あ、名前でいいよ?苗字だと似ているから紛らわしいからね」

凛ちゃんが笑顔で言った

「あ、えーと、じゃあ…雪菜ちゃん、凛ちゃん、梨華ちゃん、優斗くん、蓮くんでいいですか?」

小春ちゃんは不安気味に言った

「うん。それでいいよ。あと敬語もなしだからね」

「…うん」

なんとかみんなと距離が縮められたかな?

「ところで、小春ちゃんは翔くんとはどういう関係なの?

あ、そうだ。それ聞こうとしてたんだった

「ああ、小春と翔くんは従兄だよ!」

い、いとこ?

「小春はね、翔くんのお父さんの妹の娘なんだ」

うーん…話がややこしくてよく分からないな

「まぁ、とりあえず小春ちゃんは翔くん従兄ってことだよ」

梨華ちゃんが従兄って分かればいいよって言ってくれた

「あの、私も聞きたいんだけど、皆は翔くんとはどういう関係なの?」

小春ちゃんは私たちに質問した

「蓮以外は皆はクラスメートで、私と梨華ちゃんは席が近くて仲良くなったんだ」

凛ちゃんが説明した

「俺は体育祭で翔と席が隣になって話していたら友達になった感じ?」

優斗くんは笑顔で説明した

「俺は凛から話し聞いてて、夏休みにお泊まりして仲良くなったかな」

蓮くんは思い出しながら言った


私はなんて言えばいいんだろう?

幼馴染みだけど記憶がないから昔から仲良かったのか悪かったのか分からない

それにどんな風に友だちになったかも分からないし

いろいろ考えていると


「雪菜ちゃんは?」


なかなか答えないことを不思議に思ったのか小春ちゃんは私に聞いてきた


私が慌てていると

「雪菜は俺の幼馴染みで彼女。これで満足だろ?」

翔は私の前に立っていった

翔、もしかして私が困ってるの知ってて助けてくれたのかな?

「え?彼女?」

すると小春ちゃんの声が少し変わった

< 67 / 130 >

この作品をシェア

pagetop