二人だけの約束
結局翔は理由を教えてくれず放課後になった

はぁ〜、一体なんだんだろう?

凛ちゃんと梨華ちゃんはトイレに行ったきり帰ってこないし、翔はいつの間にかいなくなってたし

静かな教室で待っていると

パンパンっ

いきなり音がなりドアの方を見ると

みんながクラッカーを鳴らしていて

「「「「「「雪菜(ちゃん)、誕生日おめでとう‼」」」」」」

え?誕生日?

あ、そうだ今日私誕生日だったんだ

いろいろあってすっかり忘れていた

「雪菜、これ私と蓮から」

「あ、ありがとう」

混乱しつつも凛ちゃんから箱をもらい開けると

中には腕時計が入っていた

「これ…」

「雪菜言ってたでしょ?このデザインの腕時計ほしいって」

私が欲しがってたもの覚えてたんだ…

「嬉しい‼大切にするね」

私は笑顔で二人に言った

「雪菜ちゃん、これは私と優斗くんから」

梨華ちゃんは袋を持っていた

中を開けると

「バック?」

「今人気のショルダーバックなの。雪菜ちゃんあんまりバック持ってなかったからいいかなって思って」

しかもこれかなり高いブランドものだよね?

さすが梨華ちゃん!

「ありがとう!ショルダーバックは持ってなかったから嬉しいよ」

今度のお出掛けの時に使おうかな

そう思い袋にしまった

「これは俺からな」

翔はまぶしいほどの笑顔で言った

翔からのプレゼント何だろう?

ドキドキしながら開けると

中には…

「綺麗…」

素敵なブレスレットが入ってた

「雪菜に似合うと思って昨日買ってきたんだ」

翔の言葉に少し違和感感じたけど今はまだ分からなかった

「あの、雪菜ちゃんこれ小春から」

翔の後ろから声が聞こえて見ると小春ちゃんが少し恥ずかし気味に立っていた

「え?小春ちゃんも?」

私の事嫌いなはずなのに

「昨日会ったのにって思うかもしれないけど、祝いたかったから」

意外なことにパニックになりながらも小春ちゃんから袋をもらい開けると

なんと中には可愛いワンピースが入ってた

「雪菜ちゃんにピッタリだなって思って買ったの」

確かに私の好きな水色だけど似合うかな?

でもせっかくだし

「ありがとう大切に着るよ」

私が笑顔で言った

私がここで翔の言葉の違和感の正体が分かった

そうだよ。昨日は小春ちゃんと買い物していたはずだよね?

「翔、昨日は小春ちゃんと買い物していたのに、どうやって買ったの?」

翔に聞くと

「どうって普通に小春と一緒に店に入ってだけど?」

え?じゃあどうして小春ちゃん止めなかったんだろう?

私がますます混乱してきた

「雪菜、昨日はな、お前の誕生日の計画のために買い物を内緒でしようとしたんだけど、いきなり小春が転校してきただろ。で、なんか仲良くなったぽいから昼休みの案内の時にその事を話してたんだよ。そしたら、“小春も何かあげたい”って言うから一緒に買い物行くことになったんだよ」

じゃああの時の態度は?

「でも、小春ちゃん、私が説明しようとしたら怒ったよね?それに翔に声かけようとしたら遮ったし」

「え?あ、怒ったのはただの私のわがままで翔くんと話したかっただけで、遮ったつもりはなかったんだけど遮ったならごめんね」

小春ちゃんは謝ってくれた

ってことは

「小春ちゃんは翔くんをとるつもりはなかったの?」

凛ちゃんが目を丸くして言った
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