二人だけの約束
あ、だからあの時私を連れていかなかったんだ

一人で納得していた

「これは彼氏としてのクリスマスプレゼント。で、こっちは幼なじみとしてのプレゼント」

そう言って翔は私に綺麗にラッピングされた袋を渡してきた

プレゼント…あ、そうだった色々あって忘れるところだった

「私も翔にクリスマスプレゼントがあるの」

私はそう言って私は翔に袋を渡した

「おぉ、マジか。ありがとな」

翔は子どものような笑顔で言った

「ううん。私の方こそありがとう。3つもプレゼント貰っちゃって」

私も笑顔でお礼を言った

「なぁ、どうせなら一緒に開けねぇか。プレゼント」

翔はそう提案してきた

確かにいいかも

私が頷くと

「じゃ、行くぞ。せーの!」

二人で同時に開けると

中は…

「…え?うそ?」

「…マジかよ…」

なんと中身は同じ手袋だった

翔のは私が手編みした黒色の手袋で

私のは赤い手袋だった

「この手袋って手編み?」

翔が手袋を見ながら言った

あ、翔気づいた

「うん。お母さんに教えてもらったの。初めて作ったからちょっと変になっちゃったけど…ごめんね?」

私が謝ると

「そんなの、全然気にしねぇよ。お前から貰らえるならどんなものでも嬉しいしな」

翔は少し照れながら言った

あ、翔が照れてる。かわいい‼

そんなこと思っていたら

イルミネーションは終盤に差し掛かっていた

「これで、ずっと一緒にいられるかもな」

翔の言葉に私は驚いた

「ジ、ジンクスのこと知ってたの?」

私が聞くと

「お前が雑誌を俺に見せてきたときにたまたま目に入ってきたんだよ」

じゃあ、それを知ってて連れていってくれたの?

つまり、翔も私とずっと一緒にいたいって思ってくれたのかな?

そう思ったらとても嬉しくなった

「翔」

「ん?なんだ?」

「これからもずっと一緒にいようね」

イルミネーションを見ながら言った

「あたりめぇだろ」

翔はそう言って笑った

こうして二人のドキドキのクリスマスは幕を閉じた
< 97 / 130 >

この作品をシェア

pagetop