幸せの構図
「あなたたち、自然体なのね」

「はい。なんか、そのまんまです。で、多分その時に浮気をした彼自身があまりに辛い思いをして学んだんだと思います。でもそれだけすーちゃんに対する思いは強いままだったということですよね。その点が女には理解しがたいんですけどね」

「まったく、若気の至りとはいえ、男ってどうしようもないわね」

「彼は日記の中で懺悔という言葉を使ってました」

「そう・・・おすみならきっと許していただろうに」

「えっ!すーちゃんも許してしまうんですか?」

「うん、だって言ってたもの。私のとこに戻ってきたら『おかえり』って言うんだ、ってね。泣き虫だったよ」

「それを卒業の時に先生がひろし君に伝えたんですね」

「うん、留年して卒業できなかった彼にね。私たちが卒業する時に伝えたよ」
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