幸せの構図
身動きの取れないりつこにひろし君の残存思念が勝手に飛び込んできた。

そのほとんどはりつこが既に知ってる想いだった。ひろし君は包み隠さず伝えてくれた。そのことを再確認できた。そして同時によりリアルに、まるで自分とのことのように当時のひろし君と感情を共有できた。

りつこの瞳から涙がこぼれ落ちた。昨夜の残存思念とは時間軸を逆にたどった事になるが、今の彼を育ててくれたこの空間が愛しくて愛しくてたまらなかった。
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