幸せの構図
あなたはもう

忘れたかしら

赤い手ぬぐい

マフラーにして

二人で行った

横丁の風呂や

一緒に出ようねって

言ったのに

いつも

私が待たされた

小さな石けん

カタカタ鳴った

あなたは

私の体を抱いて

冷たいねって

言ったのよ

若かったあの頃

何も怖くなかった

ただ

あなたの優しさが

怖かった


あなたはもう

捨てたのかしら

24色のクレパス買って

あなたが描いた

私の似顔絵

いつも

ちっとも似てないの

窓の下には

神田川

あなたは

私の指先見つめ

悲しいかいって

聞いたのよ

若かったあの頃

何も怖くなかった

ただ

あなたの優しさが

怖かった

*** 歌 かぐや姫
*** 詞 喜多条忠
< 341 / 596 >

この作品をシェア

pagetop