幸せの構図
すーちゃんは再び遠い視線で海の向こうを見つめていた。笑顔が寂しそうだった。

「けっこう切ないのね・・・」

「はい、本人は波瀾万丈だろ♪なんて笑って言いますけどね」

「ご両親のことやお子さんのこと。それに弟さんのこと。なんて言っていいのか・・・」

「だからよく言いますよ。なんでもないようなことが幸せなんだって」

「あら、歌の歌詞そのままね」

「実感なんでしょうね」

「そうね。ところでそんな中であなたたちはどうやって知り合って愛し合うようになったの?」

「いよいよ核心ですね」
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