幸せの構図
「私ね、どうしてあなたが私を訪ねて来ようとしたのか考えたの。やっちゃんから聞いた時は正直心穏やかではなかったのね。あなたから話しを聞くまでは本当にわかんなかった。それから、このタイミングでどうしてひろし君の彼女が私に会いに来るんだろうって。どんな意味があるんだろうって考えたの。それは・・・今でもまだわからないわ」

「このタイミングって?」

「あ、まぁ、それは後で話すわ」

「わかりました。でもわたしとすーちゃんが会ってしまったことに互いにどんな意味があるんでしょうね。それはわたしも思います」

そしてりつこはひろし君との職場での出会いから一瞬に落ちた恋ではなかったが何故か惹かれていった経緯などを話した。そして話し好きな彼の様子。大学時代のこと、ホタル祭りのこと、居酒屋のことや武勇伝などをよくしゃべること、そしてりつこを心身共に愛してくれることなどを語った。

りつこはそれを心静かに話すことができた。特にひけらかすこともなくありのままを伝えることができた。
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