幸せの構図
「だよな。先生もわかんないんだからな。じゃ今のところここにいる誰もわからないってことがわかったな」

「じゃその話は終わりじゃん。早く恋愛の話しにしよ、先生。先生は彼女いるのか?」

「それはまだ後だ。質問を続けるよ。変な質問だ。君たちは生まれ変わりって信じるか?」

「先生、それ、宗教か?」
「インドじゃねぇの?」
「あやしくね?」
「死んでもまた生き返るんだぜ」
「死んだら焼かれて灰になるんだぜ。生まれ変わるって何だ?」

教室が再びざわめいた。その中で一人だけ目をらんらんと輝かせ私が話そうとしている意図を汲み取ろうとしている子がいた。

例の女の子だ。
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