幸せの構図
教室が静まりかえってしまったが、現実派の子たちも思案顔でいるのを見て、私の奇想天外な指導案に書いてある最終目標は達成できたと思った。

例の女の子が鼻をすする音だけが教室に響いていた。

私は心配になった。対男子において浮いた存在だった彼女がさらに拍車をかけるような発言をした。それを誘発したのが私だ。さらに彼女が浮いてしまうのでは・・・もしかしたら私も彼らから敬遠されるのかな。

そこんとこだけちょっぴり憂鬱になってホームルームを終えた。くそ真面目な担任も苦虫をつぶしたような顔をしていた。

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