三次元に、恋をした。
あぁ、これもおもてなしの内に入るのだろうか?

これは恋人ごっこという名のお礼、キスの一個や二個くらい、くれてやる。

私はコクンと頭を縦に振った。

近づいてくる彼の顔に私は自ずと目を閉じた。


____チュッ


軽くしたたかな音が私の耳に響く。

その微かな音の感触は唇ではなく、額だった。

「ごめんね。 意地悪しすぎた」

そう言ってギュッと私を抱き締めてくれ、それ以上の言葉は何も発されなかった。

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