三次元に、恋をした。
「ご一緒してもいい?」

「……え?」

「ほら、もう満席でさ? そしたらまさかの相澤さん見つけちゃって。俺ってツイてるかも」

彼もまたお昼ご飯を食べに来たのだろう。

私の注文した物と共に、店員さんが成瀬さんの分までご丁寧に同じトレーで持ってきてくれた。

あの日以来の再会だが、彼はいつもと変わらず、本当何一つ変わらず。

私の目の前で普通に食事をしている。

この間のことが、まるでなかったかのように。

私だけが勝手に意識しているかのように。
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