三次元に、恋をした。

〜♪

２人の間を割って携帯の着信音が鳴り響く。

私の知っている着信音ではないから、きっと成瀬さんのだろう。

「……出なくて、いいんですか？」

ずっと鳴り続いているからメールではない事は確かだ。

だが一向に携帯を手に取ろうとはしない彼に思わず声をかけた。

「はぁ… 電話の相手、呪ってやる」

大きな溜息と共に、なんとも彼には似つかわしくない言葉を吐いて電話に出た。