三次元に、恋をした。
それが“恋人ごっこ”だったとしても、私はあの瞬間から恋に落ちたのだと。


「あ、噂をすれば」

颯爽と登場したのはビシッとスーツを着こなし凛とした成瀬さん。

「お疲れ様です。 歳三さん、噂は一気に広まってますよ?」

「ハハッ… やっぱりそうだよな? 会社に入る前から何人にも声掛けられたよ」

世間話をするように愛梨ちゃんと話している彼に少しだけイラっとした自分がいた。

「相澤さん、これ。 名刺入れのお礼に受け取って?」

差し出された紙袋を言われるがままに受け取る。
< 149 / 198 >

この作品をシェア

pagetop