三次元に、恋をした。
え、なんで?とハテナマークの私の手元には、まるで花束のようにカラフルな焼菓子の詰め合わせが入っていた。

お礼、って。 何に対して?

「……こんな…っ、頂けません。私はただ忘れ物を渡しただけです」

「じゃあ 俺からの気持ちって事で」

気持ちも何も。こんな事されては困る。

「で、でも…… 」

「大丈夫。俺って絶対的味覚だから、味は保証するよ?」

ね? と笑ってみせては紙袋を私の手に握らせ、行き場のなくしたこれは私の物になってしまった。
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