三次元に、恋をした。
「あ、ありがとう… ございます」

満足気に私を見る顔は、やはりどこか浮かないようにも見えた。

「ところで、2人は俺のお別れ会には来てくれるの?」

「はい、もちろん!行きますよね? 先輩っ」

「え?」

行くつもりなんてさらさらない。いやなかったのだが……

こんな事をされておきながら「はい、行きません」なんて言えるほど私は横着ではない。


「………はい。少しばかり顔を出すつもりです」

これが私の精一杯の返事だった。
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