三次元に、恋をした。
ズルイ。 本当に罪な男。

ふと離れていく唇に余韻なんか含ませないで欲しい。

彼が離れたと同時に思いっきり胸を突き飛ばした。

女ひとりの力で彼が倒れる訳はないが責めてもの抵抗。

「ひどい。……ズルい、……自分勝手!」

感情が漏れる。 涙腺も緩むのがわかる。

「………好きにならなければ良かった。」

捨て台詞のように発して彼の顔をこれでもかってほどに睨み、その場を離れた。

その時の彼の顔は…… 正直 全く覚えていない。

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