三次元に、恋をした。
「……知りません」

「あっそ。 じゃあ ちゃんと言ってくれるまで離さない」

手の力は緩めるどころかどこかキツくも感じる。

しばしの沈黙、お互い一歩も譲らない歪み合い。

「___チュッ ……ほら、早く。言って?」

耳朶を吸い付かれ、いじらしくも催促され。

心臓の音が聞こえてしまうんじゃないかってヒヤヒヤするほど。


「……好きです。たぶん」

痺れを切らしたのは、結果 私の方だった。
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