三次元に、恋をした。
出勤前に鞄を見たら、昨日のままの位置にいらっしゃった名刺入れ。

今もまだ私の鞄の中にあるまま。

早く御主人様の元に帰りたいよね?なんて。

「少し待って頂ければ名刺入れをお返しできますが… 」

そろそろ愛梨ちゃんも帰ってくる頃だろう。

「いや、大丈夫。 それは会う為の口実みたいなものだからちゃんと持っててね?」

口実、って。

「うちに来ても、何のおもてなしもできませんが? よろしいんですか?」

来る意味が全くわからない。提供できるのは漫画のみ。
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