ガラスの心に気づいたなら 〜 1
「俺、ちょっとコンビニ行ってくるわ。」

そいって玄関を出て行く康介に、わたしは何も言えなかった。

今になっても呪い続けるあの日のトラウマ。

ひどいよ…こんなに時間がたった今でもわたしを呪うなんて…

もういいでしょ?

わたしだけが苦しんでいてバカみたい。

わたし、あんたたちに何をした…?

あんたたちは、わたしがこの四年間、どんな思いをして生きてきたと思う…?

十四年の重い痛みで済んだのに…

それをあんたたちは、十八年間の呪いへと変えたんだ。

いや、これからもきっと続くだろう。何十年間も呪われ続けるのかもしれない。

ただでさえ辛かったわたしを、あんたたちはもっと苦しめた。

康介の元に来て、もう終わったかと思った。

だけどこの痛みは、一生わたしに付きまとうような気がした。

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