ガラスの心に気づいたなら 〜 1
康介はなかなか帰ってこなかった。
きっとわたしのせいだとは思うが、部屋にはなんだか気まずい空気が流れていた。
ただそんなことを知らないあーたんはさっきからきゃっきゃしてはしゃいでいる。
康介に対してこんなに悩んでいる自分が不思議だ。
ついこの前までだったら、きっと何も気にせず、自分の人生を単独で歩んでいただろう。
人間関係が嫌いで、ただあーたんといられればそれで十分だった私。
それがなに?今は、同じ学年の高校生男子を些細なことで傷つけてしまい悩んでいる?
どういう心境の変化だろう…って自分なんだが。