ガラスの心に気づいたなら 〜 1
そう言って優しく微笑む優也を見て胸の内が痛くなった。
痛いけど温かい。矛盾した気持ちがじんわりと広がっていた。
仲間。
家族。
わたしはみんなに受け入れられたってこと?
こんなわたしが?
「康介さ、お前のこと結構気に入ってるからさ、女みてえに、ちっせえことで傷ついちゃうわけ。でもそんなのほっとけばいーんだよ。そんなことでお前のこと嫌いになったりしねーから。」
柄になく真剣に話す翔太を見て、ああ、わたしはこの人たちと一緒にいてもいいんだな、っていう思いが広がって、無性に泣きたくなった。
「ゆうにいー、しょうにいー、まー!!」
そう言って駆けてくるあーたんはとびっきりの笑顔で。
「お花!!」
そう言って一人ひとりにたんぽぽを渡していく姿を見て、思わず目尻が痛くなった。
「家族みてーだな。」
そう言って笑う翔太はいつになく嬉しそうで、
「ぼくたちのこと嫌になるまで、ずっといなよ。」
そう言って微笑む優也はまるで妹思いのお兄ちゃんのようで、
「嫌いになんか…なるわけないじゃん。」
こんな水臭いこと言っている自分が嘘みたいで。
わたしは幸せ者なのかもしれないって思った。