ガラスの心に気づいたなら 〜 1
わたしが康介の隣に並んでベランダの柵に手をかけると、康介は少し嬉しそうな顔をした。
「なんかさ、こうやって一緒にいると、今までずっと一緒にいたみたいな気がする。」
「…え?」
「本当に家族…みてーだな。」
わたしは思わず顔を上げた。
夕日が康介の髪を和らかい茶色に浮かびあがせる。
康介はわたしの視線に気づくと、ゆっくりと振り返った。
そよ風がわたし達の間を穏やかに吹き抜けてゆく。
「今朝は…ごめん。」
わたしは小さく謝った。
康介は一瞬驚いたような顔をしたが、すぐに小さく笑った。
「そんなの、別に気にしてねーし。つうか、悪いの俺だし。」
わたしは納得がいかずに康介のオレンジ色に染められた瞳を見つめた。
「それに…おれたち、家族だろ?家族はどんなことがあっても離れねーもんなんじゃねーの?」
康介はくしゃっと微笑んだ。
「喧嘩しよーが何があろーが、結局は家族なんだから、簡単なことでお互い離れられねーよ。」
康介はそこまで言うと、わたしに向かってピースサインを作った。
「俺、お前のことだいすきだから、どんなことされたってお前を置いてかねー!だから、これからは玲奈の抱えてるもん、俺たちが全部、受け止めてやるよ!」
きっと今日、わたしは本当にみんなと通じ合えたのかもしれない。