ガラスの心に気づいたなら 〜 1


何度目かに声をかけられて、わたしはやっと顔を上げた。


その男は声を張り上げた、「怪我!」


わたしは眉をひそめた。


「あんた、自転車から落ちて、怪我してないんすか?」


男の瞳が揺れている。


「てか、してねーほうがおかしいけど。」


ぼそっとそんなことをつぶやいている。











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