ガラスの心に気づいたなら 〜 1
すると急に隣に誰か来た。

いきなりで驚いたが、別に顔はあげなかった。

わたしに用がある人なんていないから、一体何が目的なんだろう。


「あの、この前の人っすよね?」


わたしはため息をついた。チラッと横を見ると、一人の青年が自転車を横に立っている。

いかにも「青春してます!」というような、日に焼けた運動着姿の男子だ。


わたしは冷たくその青年を見返した。

「さっきからずっと声かけてんすけど。」少し不機嫌そうに眉根を寄せている。


誰?


しかもこの前ってなんの話…?

わたし人と関わるようなことしてないんだけど。

もしかしたらバイト先の新人さんとか?ありうる。

名前覚えない主義だから。
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