ガラスの心に気づいたなら 〜 1
その時、不意に子供の鳴き声がしたかと思うと、俺の服の裾を何かがつかんだ。

振り返ると、本当だったらもう寝ているはずの小さな子どもが泣きながら俺を見あげていた。

俺はとっさに何かを感じ、その子を抱き上げた。

こんな深夜に子供が一人。

絶対に何かおかしい。

その子はしきりにどこかを指差して、泣きじゃくりながら何かを訴えている。
「ま…っひっく…が…たお…れた」

危機を感じた俺は子供の指差す方へ急いだ。
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