ガラスの心に気づいたなら 〜 1
すると、人通りの少ない歩道橋の道端に女の人が倒れているのが見えた。

俺が慌ててかけていくと、その子は俺から滑り降りるとその人にしがみついた。

「大丈夫ですか…っ」



俺は息を飲んだ。


!!!






なんとそれは、朝の練習のあの女だった。







その瞬間、俺は彼女の名前さえも知らないことに気づいた。




ってそんなことはどーでもよくて、今は彼女をどうにかしないといけない。



死んだように倒れている彼女は、せわしなく口でハアハアと息をしている。

額にはべったりと汗が浮かび上がっている。
俺は片方の腕を彼女の首下に、そしてもう片方を膝下に回して持ち上げた。

俺はあまりの軽さに驚いた。

これはただ軽いなんてもんじゃない。
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