ガラスの心に気づいたなら 〜 1

「疲れてんだから、そっとしといてやれよ。」

その時響く聞きなれた静かな声。


何で優しいの。
ウザ男のはずなのに。



本当は何週間も毎日話しかけてくれるのが、嬉しかったよ。


でもそれも全部この為?


だから嫌だったんだよ、人を信じるのが。

_____

次めを覚ますと、夕方になっていた。

他の二人はもういなかった。あれ、わたし、何もされてない…?

「おかゆ作ったけど、食べれそうっすか?」

虚ろな瞳に映るのは、またしてもあのウザ男。そして彼の腕には…

「あーたんっ!!!」

何で。

何であいつに抱っこされてるわけ??

もしかしてあーたん、わたしが呑気に寝ている間に…?!

まだふらつく足取りで慌てて駆け寄る。

「は?へ?あ…。」

わたしはあーたんを勢いよく奪い取った。よくも…!!!


「あーたんね、カレー食べた!」


...................。
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