ガラスの心に気づいたなら 〜 1


「…い?」


どうして…


「…しい?」


わたしを置いていったの…?


「玲奈さん?」


わたしはふっと我に帰った。

そこには心配そうにわたしを見つめる康介の姿があった。


「どうしたんすか?」

「…くない」

「え?」

「…悪くない。」

そう言うと康介は目尻を細めて、嬉しそうに笑った、「ありがと。」


「あと…。」


「ん?」


「わたし、あんたと同級生だから…敬語はやめてよ。」


どうして自分から自分のことを明かしてるのかわからない。

この誘拐男に…。

「えっ、マジで!?」康介は驚いたように眉を上げた。

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