ガラスの心に気づいたなら 〜 1
仲間
五日目の朝、体調は大分良くなった。
相変わらず受け答えはしない私だけど、人の話は一応は聞くようにした。
人も覚えた。
まあ、よくこの家に住んでいる人だけだが。
というのも、この家にはいつもいろんな人が出入りしている。
そしてみんなで笑いながら話したり、恋愛問題で少しもめたり、たまに喧嘩したりと、人間味あふれる生活が手に取るようにわかる。
わたしには程遠い幸せな時間だ。
そしてもう一つわかったことがある。
それは、この家には家族がいないということ。
普通ならきっと父母子供という関係になっているだろうが、この家の住人は皆バラバラだ。