ガラスの心に気づいたなら 〜 1
思わず康介に全体重をかけると、康介はぎゅっと強く抱きしめてくれた。

「玲奈は無理しすぎなんだよ。」

汗で湿った髪をそっとすいてきた。

「俺なんかで助けになるかわかんねーけど、おまえをぜってえ守ってやる。」

康介のまっすぐな言葉がわたしをそっと包み込む。

「ひっでえ顔。」

そう言っておかしそうに笑う康介を見て心が温まる。

「涙なんか、お前らしくねーよ。」そう言ってゴシゴシと乱暴に康介のジャージの裾で顔を拭かれた。

< 86 / 111 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop